平成30年度の市民税・県民税の申告(平成29年分所得税の確定申告)から令和9年度の市民税・県民税の申告(令和8年分所得税の確定申告)までの間、「セルフメディケーション税制による医療費控除(医療費控除の特例)」を利用することができます。

(1)セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の創設とその概要

・平成28年度の税制改正により創設され、令和3年度の税制改正で令和8年12月31日まで延長になりました。
・健康の維持増進や疾病の予防のため「一定の取組」(健康診断等)を行う個人が、スイッチOTCに該当する医薬品(特定一般医薬品等※)を購入した場合、医療費控除の特例として、所得控除の適用を受けることができます。
(この制度は、自己の健康管理のため健康診断等を行い、病院等の利用を最小限に控えて、薬局等で購入した特定一般医薬品等を利用し、適切な健康維持管理を行っている個人について、所得控除による税制面の支援の意味合いがあります)。

※特定一般医薬品等とは?
医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から、薬局等で購入できるOTC(Over The Counter)医薬品に転用されたものをいいます。

(2)医療費控除の選択適用について

・納税義務者は、「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」と「従来の医療費控除」のいずれか一方を選択して控除を受けます。
・選択した制度で申告した後は、修正申告等で選択を変更することはできません

例)以下のような変更は認められません。
×当初申告:セルフメディケーション税制 ⇒ 修正申告等:従来の医療費控除
×当初申告:従来の医療費控除 ⇒ 修正申告等:セルフメディケーション税制

(3)控除を受けるために必要な「一定の取組」とは

セルフメディケーション税制による所得控除を受けるためには、申告の前年中に健康診断等の「一定の取組」を行っている必要があります。

<一定の取組の具体例>
・保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
・市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
・予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
・勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
・特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
・市町村が健康増進事業として実施するがん検診

<一定の取組に該当しない例>
・本人が任意(全額自己負担)で受けた健康診査等
⇒保険証が利用できない健康審査等は該当しません。
・生計を一にする配偶者や親族が受けた健康診査等
⇒納税者義務者本人(申告者本人)が受けた健康診査等でなくてはなりません。

(4)セルフメディケーション税制の対象となる医薬品について

1)スイッチOTC医薬品であることの確認方法

・セルフメディケーション税制の対象となる医薬品等を購入するとレシート等に「セルフメディケーション税制の対象商品」である旨が表示されています。
・スイッチOTC医薬品の具体的な品目一覧は、厚生労働省ホームページに掲載の「対象品目一覧」(クリックで移動)をご覧ください。
・なお、一部の対象医薬品については、医薬品のパッケージ等にセルフメディケーション税制の対象を示す「識別マーク」が表示されています。

<識別マーク>
selfmedic

2)レシート等へ記載されているべき事項

対象となる医薬品等のレシート等には以下の事項が全て記載されている必要があります。
記載事項
1 商品名
2 金額
3 セルフメディケーション税制の対象である旨の表示
4 販売店名
5 購入日

3)適用となる人の範囲(誰のために購入した医薬品であるかの範囲)

納税義務者本人又は納税義務者と生計を一にする配偶者その他親族のために購入したスイッチOTC医薬品の対価が対象となります。

(5)セルフメディケーション税制による医療費控除額について

・セルフメディケーション税制による医療費控除の特例は、所得控除に分類されます。控除額は以下の計算で求められます。

医療費控除額:スイッチOTC医薬品購入の合計額 −保険金等で補填される金額− 12,000円
控除の限度額:88,000円

(6)申告時に必要となる書類等について

セルフメディケーション税制による医療費控除の特例を受けるためには、以下の1と2の書類がいずれも必要となります。

1)OTC医薬品等購入費に関する明細書

・レシートや領収書を元に、明細書を作成し申告書に添付して下さい(ただし、令和2年度の市民税・県民税の申告までは、領収書の添付や提示によることもできます)。
・レシートや領収書は、申告した年の市民税・県民税の法定納期限(通常6月末日)から5年間の保管が必要です。

<明細書の様式>
所得税の確定申告における指定様式(クリックで移動。下田市でも同様の様式を使用します)


2)健康診断等の「一定の取組」を行ったこと明らかにする書類の添付又は提示

・健康診断等の「一定の取組」を行ったことを明らかにするため書類の添付又は提示が必要となります。
・具体的には以下のいずれか一つの書類等を提示又は添付していただきます。

「一定の取組」を明らかにする具体的な書類等
1 ・インフルエンザの予防接種又は定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収証又は予防接種済証
2 ・市区町村のがん検診の領収証又は結果通知表
3 ・職場で受けた定期健康診断の結果通知表
※結果通知表に「定期健康診断」という名称又は「勤務先名称」の記載が必要です
4 ・特定健康診査の領収証又は結果通知表
※領収証や結果通知表に「特定健康診査」という名称又は「保険者名」の記載が必要です。
5 ・人間ドックやがん検診を始めとする各種健診(検診)の領収証又は結果通知表
※領収証や結果通知表に「勤務先名称」又は「保険者名」の記載が必要です。
6 <上記3〜5が用意できない方>

勤務先又は保険者に一定の取組を行ったことの証明を依頼し、その証明書を添付又は提示します。
事業者証明用(docx 38kb)
保険者証明用(docx 42kb)

※健康診断の結果数値等については、マジック等で塗りつぶした「写し」でも差し支えありません。