1.ふるさと納税の拡充
(1)特例控除額の上限の引上げ
都道府県・市区町村に対して寄附金を支出した場合(ふるさと納税)における特例控除額の上限が所得割額の10%から20%に引き上げられます。
課税年度 | 特例控除額の上限 | |
改正前 | 平成21~27年度 | 所得割額の10% |
改正後 | 平成28年度 | 所得割額の20% |
(2)ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設
確定申告が不要な給与所得者等が都道府県・市町村に対し寄附を行う際、5団体以内であれば寄附先の団体に特例の申請をすることで確定申告を行わなくても寄附金控除を受けられる制度が創設されました。この特例を受けた場合、翌年度の個人市民税・県民税から所得税の軽減相当額を含めて控除されます。(平成27年4月1日以降に行われる寄附から適用)なお、以下の項目に該当する場合は特例の適用は受けられません。
・寄附先が6団体以上ある場合
・確定申告や市民税・県民税申告を行う場合
・申請した内容に変更があった方が翌年1月10日までに変更届出書を提出していない場合
2.住宅借入金等特別税額控除の適用期限の延長
消費税率10%への引き上げ時期が、平成29年4月へ延長されたことに伴い、住民税における住宅借入金等特別控除について、居住年月日の適用期限が次のとおり延長されます。
居住開始年月日 | 控除限度額 | |
改正前 | 平成26年4月1日~平成29年12月31日 |
所得税の課税総所得金額等の7%
(最高136,500円)
|
改正後 | 平成26年4月1日~平成31年6月30日 |
3.公的年金からの特別徴収制度の見直し
平成28年10月以後の特別徴収分から以下の3点が変更となります。
(1)特別徴収税額の標準化
年間の特別徴収税額の標準化を図るため、仮徴収税額(4月・6月・8月に支給される年金から差し引かれる税額)の計算方法が次のとおり改正されました。
仮徴収税額(4月・6月・8月) | |
改正前 | 前年度の2月と同額 |
改正後 | 前年度の公的年金等にかかる所得から計算された年税額÷6 |
【計算例】
年度 |
公的年金に係る 住民税(年税額) |
仮徴収税額 | 本徴収税額 | ||||
4月 | 6月 | 8月 | 10月 | 12月 | 翌年2月 | ||
N | 60,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
N+1 |
36,000円 (控除増による減額) |
10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 2,000円 | 2,000円 | 2,000円 |
60,000円÷6=10,000円 | (36,000円-30,000円)÷3=2,000円 | ||||||
N+2 | 60,000円 | 6,000円 | 6,000円 | 6,000円 | 14,000円 | 14,000円 | 14,000円 |
36,000円÷6=6,000円 | (60,000円-18,000円)÷3=14,000円 | ||||||
N+3 | 60,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
60,000円÷6=10,000円 | (60,000円-30,000円)÷3=10,000円 |
(2)転出時における特別徴収の継続
現行制度では年度の途中で他市へ転出した場合、特別徴収を停止し、普通徴収へ切り替えることとされていますが、市外へ転出した場合においても、一定の要件の下、特別徴収を継続することになりました。
(3)特別徴収税額を変更する場合の特別徴収の継続
現行制度では市から年金保険者へ特別徴収する税額を通知した後は税額を変更することができないため、税額を変更する場合は、特別徴収を停止し、普通徴収へ切り替えることとされていますが、今回の改正により毎年12月10日までに税額が変更された場合に限り特別徴収が継続されることとなりました。