神船岩
 白浜の長田(ながた)、明神様の近くの海岸に「神船(かぶね)」と呼ばれている
岩がある。干潮の時此の岩の上に乗って揺すぶると、ゆらゆらと岩が動く。これは昔神様が島から乗っておいでになられた船がここに乗り棄てられて石となったものであるといわれている。
又、この長田の小長田には今も十二社明神が祀られている。
ここを「神明」と呼んでいるが、これは神様が開いたという意味だといわれる。(白浜明神はもとここに祀られてあったが、後に現在の所に遷された。)
 今、白浜小学校に保存されている埴論はこの神明の地から発堀されたもので、円筒形の高さ1尺(約30糎)直径4寸5分 (約14.5糎)のものである。
 埴輪は古代、高貴な方の墳墓に埋蔵されたものであることから、ここの神明には高貴な方の墳墓があったものと推測される。
下田市の民話と伝説 第1集より