共通市章

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平成31年度(2019年度)施政方針

 平成31年下田市議会3月定例会におきまして、平成31年度各会計予算並びに各議案の御審議をお願いするに当たりまして、新年度に向けた施政方針を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の市政に対する深甚なる御理解と絶大な御協力をお願い申し上げるものでございます。

1. これまでの市政を顧みて

 光陰矢の如し、私、就任以来、2年半が経過し、任期の残りも1年半となりました。これまで、「疲弊していくふるさと下田を再興させる。」という強い思いを胸に、効果的・効率的な市政執行に邁進して参りました。今なお解決すべき課題は多く残されておりますが、市民の皆様に「下田は、確実に変革への歩を進めている」との認識を持っていただいているものと自負しております。これも偏に、議員の皆様をはじめ、市民の皆様からの温かい御理解,御支援と御鞭撻の賜であると、深く感謝しております。
 私は、本市を率いるリーダーとして、「虚心坦懐」「公論傾聴」「先見洞察」「熟慮断行」を座右の銘とし、常に、「市民の心をわが心として」事業の立案・実行に心血を注いで参りました。残された任期は決して長くはありませんが、これまでの基本的な方針を堅持し、諸々の課題を解決して、市民の皆様の負託に応えられるよう、市役所全職員の英知と実行力を結集し、率先躬行、職務に邁進する所存であります。

2. 平成30年度の市政を顧みて

 就任以来、下田再興に向けた基本方針として、「人口減対策」「観光振興を主体とする経済の活性化」「防災対策」の三本の柱を掲げてまいりました。
 具体的な取組として、人口減対策では、移住・交流居住促進事業や少子化対策事業などの促進、観光振興を主体とする経済活性化では、オリーブのまちづくり事業、誘客の増加につながる情報発信、みなとまちゾーン活性化事業、公衆無線LAN環境整備事業などの推進、防災対策では、宮渡戸橋架替等公共施設の耐震化、避難路及び避難施設等の整備などに取り組んでまいりました。
 また、長年の懸案であった市庁舎の建設につきましても、建設場所の決定に続き、設計、造成、建築等具体的な作業に着手する段階まで到達することができました。さらに中学校再編に関しては、新しい学校の位置や校名を決定することができ、いよいよ1校化に向けた具体的な姿が見え始めました。
 このほか、伊豆縦貫自動車道の整備促進に関しては、河津―下田道路の第2期区間の工事が本格化し、トンネルや橋梁などが姿を現してきましたことで、国と県への要望活動の成果が結びつつあることを強く実感しております。
 付け加えるに、平成30年度は、既存事業に加えて、プログラミング教室の実施、稲梓地区の光ファイバー網整備事業、コミュニティバス運行開始、日ロ友好交流事業など、新しい視点での施策に積極的に取り組んできたところであり、各分野で将来への動きが芽生え始めるなど、基本方針の具現化を目指し、企画立案した事業はほぼ順調に進捗したとの確信を持っております。

3. 社会情勢に対する所感

 昨今の国際情勢を概観いたしますと、米国においては、トランプ政権誕生から2年が経過し、この間、TPP(環太平洋経済連携協定)や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱など、他国との協調より自国を優先する姿勢は、国際社会の政治経済に大きな不安感を与えています。また、ヨーロッパにおいては、EUからの離脱を表明している英国をはじめ、中東などからの多くの難民・移民による社会的・政治的問題に端を発し、ドイツや北欧諸国などでも、自国利益優先の政党が台頭する動きも見せており、中東においても、エルサレムを巡ってイスラエルとパレスチナの対立が深まるなど、世界全体の先行きが不安定なものとなっております。
 さらに、日本周辺においては、米中の貿易摩擦、力による中国の現状変更の試み、日韓関係の冷え込み、米朝の核をめぐる確執、日ロ間の領土問題等不安定要因も存続するものとみられています。
 次に、国内に目を向けますと、経済の面では、安倍政権による一連の経済政策の効果もあり、景気の回復基調が続き、企業収益が改善している中で、今後においては景気の好循環が地域や中小企業などへ行き渡り、労働者個人の所得向上につながることが期待されています。また、雇用、所得環境が改善する一方、持続的な経済成長の実現に向けて、消費を活性化させるために、生産性向上を目的とした「働き方改革」の推進が求められています。労働力不足が続く中、長時間労働の改善や女性、高齢者の就労促進など、誰もが活躍できる社会を目指す必要があると認識するところであります。
 また、産業分野においては、AI(人工知能)等による技術革新が急速に進んでおり、産業、生活、交通等あらゆる分野に広がりを見せています。人口減少、高齢化の進行による担い手不足に対応するために、生産性や効率性の向上の手段として欠かすことのできないツールであることを認識しておく必要があります。
 平成27年度から本格的に開始された「地方創生」の取組は、徐々に地方に広がり、成果が表れ始めていると言われております。しかしながら、地方創生の諸施策にもかかわらず、人口の東京一極集中の流れは止まらず、むしろ加速化の一途をたどっており、多くの地方自治体は活力を失いつつあります。本市も、その典型的な一極集中の影響を受けている自治体であることは、否定できない事実であります。少子化や首都圏への人口の集中を是正するためには、国と県及び地方自治体が一体となった抜本的な改革が必要ではないかと感じております。さらに、地方自治体においては、前例や他地域の模倣ではなく、地域の実相を把握し、その特性に応じた策を施し、稼ぐ力の向上、資産や人材の有効活用等地域を活性化しその魅力を向上していくことが求められています。

4. 新年度の市政執行に当たって

 新年度の市政執行の基本姿勢について申し上げます。
 平成31年度の予算編成におきましては、前例踏襲の既存事業にとらわれず、地域の課題に的確に対応し、将来への投資となる未来志向の事業を盛り込み、さらには市民の皆様と行政が密接な協力関係を継続的に維持できる仕組みづくりに取り組むこととしております。
 私は、こうした意識をもって市政を執行する所存ですが、市民の皆様、そして議員の皆様にも、是非、共通の認識をもっていただき、市全体が一丸となって、現在の難局を乗り越え、明るい未来を構築するために、あらゆる面で、能動的な施策を講じたいと考えております。

(1)組織機構

 各種施策の能動的な企画・実行を目指し、平成29年度に再編成した統合政策課を中心に、庁内各分野の横断的な連携をより強固にするとともに、国・県及び民間企業において実践経験を持つ人材を受け入れることにより、重点事業として掲げている三本柱を推進することを主眼に、新庁舎での執務体制を見据えて、より効率的・効果的に能力を発揮できる組織の構築を目指してまいります。

(2)三本柱(人口減対策、観光業の振興を主体とした経済活性化、防災対策)

 就任以来、全身全霊を傾注してまいりました人口減対策、観光業の振興を主体とした経済の活性化、防災対策の三本の柱の具現化のためには、限られた資源、資産、人材を有効に活用するとともに、予算配分においては、選択と集中を念頭に置いて、事業の推進を図りたいと考えております。
 人口減対策に関しては、市外からの転入者や交流人口、関係人口の増加を図るための移住・交流居住事業に積極的に取組むととともに、市民の皆様が安心して暮らすことができ、このまちに住んで良かったと感じることのできる施策として、医療、子育て支援、高齢者福祉、教育等の充実や健康増進対策の強化、各地区特有の課題の解決などを推進してまいります。
 経済の活性化を遂行するに当たっては、基幹産業である観光業の振興に力を注ぎ、本市の持つ魅力を丁寧に磨き上げるとともに、外部、特に首都圏周辺に向けた情報発信を強化していく必要があります。また、新たな雇用機会の増加などの産業基盤の拡大を図るため、企業誘致や起業支援施策の強化を図ります。
 防災対策を行うに当たっては、市民の生命財産を守るため、逐次不備な点を補うとともに、ハード、ソフトの両面で防災対策を推進し、万全な災害対策の実現に向け邁進したいと考えております。
 これら三本の柱は、相互の連関による相乗効果を常に意識し、庁内における横断的な事業展開はもとより、市民や関係各位の積極的な参加、協力によりはじめて効果を発揮できるものと認識しているところでございます。

(3)重要課題(新総合計画策定、新庁舎建設、中学校再編整備)

 本市のまちづくりの基盤となる「第4次下田市総合計画」は、2020年度をもって対象期間が終了します。新総合計画の策定にあたっては、人口減少、経済の低迷等厳しい社会情勢の中で、本市が再興に向けて進むべき明確なビジョンを示すことができる実効性の高い計画の策定を進めてまいります。
 新庁舎建設事業に関しては、移転場所が決定したことに伴い、2018年度から、設計業務等に着手し、2020年度の完成に向けて着実に推進してまいります。
 また、市立中学校の再編に関しては、1校化の決定に基づき、生徒の教育環境の向上を第一に、未来の下田を担う中学校としての再編整備を進めてまいります。

5. 予算編成の基本的考え方

(1)国の地方財政対策が本市に及ぼす影響

 国の「平成31年度予算編成の基本方針」では、2025年度の国・地方を合わせたプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化目標の実現に向け、引き続き、経済再生と財政健全化に取り組むという方針が示されております。
 また、予算編成についての考え方の中で、平成31年度予算は、「新経済・財政再生計画」で位置づけられた、社会保障改革を軸とする基盤強化期間の初年度となる予算であり、我が国財政の厳しい状況を踏まえ、歳出全般にわたり徹底した見直しを推進し、地方においても国の基調と合わせ徹底した見直しを進めるとしています。
 このように、地方に対し安定的な財政運営が求められていますが、1月に公表された「平成31年度地方財政対策」では、地方自治体が自由に使途を決められる一般財源総額について、前年度比1%増となる62.7兆円を確保し、地方交付税についても前年度を1.1%上回る16.2兆円を確保する一方、臨時財政対策債を前年度から0.7兆円抑制するなど、地方の財政健全化に向けて明るい材料が示されました。
 しかしながら、国は、持続的な成長を目指す上で、少子高齢化への対応を大きな課題と掲げており、この一環として全世代型社会保障制度の確立に向けた、幼児教育・保育の無償化をはじめとする社会保障充実のための安定財源の確保を図るため、平成31年度には、消費税率の引き上げの実施と、これにより生じる需要変動を平準化するための各種支援策を講じることとしています。
 この国施策の重要な転換期にあって、地方行政団体に対しても、地域内での主体的な役割を果たすことが求められるとともに、消費税率の引き上げに伴い地方に波及する経済的な影響には、十分に留意して対応を図ることが必要となります。

(2)平成31年度予算編成の方針

 本市の平成29年度決算では、財政力指数や、実質公債費比率等といった指標には改善が見られたものの、財政の弾力性の判断指標となる経常収支比率は、物件費、補助費、公債費の支出増を要因として、87.9%となり、前年度比で2.3ポイント悪化しました。
 将来的には、人口の減少等に伴い市税も減少していく傾向が見込まれている一方で、社会保障関連経費や老朽化施設維持管理等の財政需要は、年々、増加する傾向にあります。現在進行中の新庁舎建設事業や、中学校再編整備といった事業計画の後にも、じん芥処理場の更新等の大型事業を控えており、さらに物件費や公債費の支出が増えることは避けられない状況です。
 また、本市の財政運営上の特徴とも言える自主財源の不足を補うために、事業執行に起債による借り入れを頼りとする状況は、今後も大きく変わることがないと推察され、市税など経常一般財源の減少と、老朽化施設の更新等により物件費が増加することと相まって、更なる経常収支比率の悪化が懸念されます。
 このように厳しい財政状況下にあっても、必要な市民サービスを持続していくことは市の責務であり、第4次下田市総合計画に掲げる「自然と歴史を活かし、やすらぎと活力のあるまち」を目指し、可能な限りまちづくりを前に進めなければなりません。
 以上のことから、財政の硬直化が危惧され、より一層の財政健全化を図り、これに並行してまちづくりを進めていくことが、本市行財政運営の大きな課題となっています。
 このため、本市の平成31年度予算の編成に際しては、未利用財産の売却及び利活用、特定目的基金の有効活用等の積極的な取組、そして、事務事業の見直しや、優先的事業の選択と集中等を進めることによって、財源の確保と効率的かつ合理的な事業予算の計上に努めることを方針として定めました。

(3)予算規模

 本市の当初予算規模は、一般会計、7特別会計及び2事業会計を合わせて、202億6,122万円で、前年度に比べ17億5,850万円、9.5%の増となり、各会計間の重複額を除いた純計額では、189億3,606万8千円で、前年度に比べ16億5,899万2千円、9.6%の増となりました。一般会計は112億円となり、前年度に比べ11億9,400万円、11.9%の増となりました。

6. 重点事業への対応

 第4次下田市総合計画の重要施策に対応する重点事業について、御説明申し上げます。

第1 人口減対策事業

1)人口減対策

 人口減対策に関しては、新たな地域の担い手となる人づくりとして、市外からの転入等を増加させる移住・交流居住事業や本市出身者が戻ってくることができる環境づくりを促進するとともに、子どもを生み育てたくなるまち、安心して暮らし続けられるまちを実現するために、医療や福祉の充実によるやさしい地域環境の整備を進めてまいります。
 第一に移住・交流居住事業としまして、移住情報の発信、相談体制の構築、移住活動の支援等を推進し、県外から本市へのUターン・Jターン・Iターンによる移住者の増加や都会と地方を往来する二地域居住の奨励による交流人口の増加を図ってまいります。
 また、将来的に本市で起業することができる高度な思考力・技術力を身につけることを目的に、引き続き中学生を対象としたプログラミング教室を開催してまいります。
 第二に少子化対策としまして、平成30年度に開設した「子育て世代包括支援センター」を核として、不妊治療費助成、産前・産後サポート事業や産後ケア事業を実施し、妊娠・出産・育児への切れ目ない支援を実施してまいります。
 第三に子育て支援としまして、子育てに要する保護者への情報提供及び経済的負担の軽減を図るため、子育て支援アプリの改修及び育児用品購入費助成、保育所等利用者負担金軽減措置、中学校就学準備給付金の支給、子ども医療費助成、未就園児を対象としたお試しクーポン券交付事業、病児保育事業への助成を継続してまいります。また、放課後児童対策として朝日地区児童を対象とした放課後児童クラブを新設いたします。
 住宅リフォーム振興助成金におきまして、引き続き、中学生以下の子どもを有する世帯に対する子育て支援分の上乗せ助成を継続し、良好な子育て環境の整備を促進してまいります。
 第四に医療、高齢者福祉事業としまして、いつでも、適切な医療を受けられることは、安心で健やかな生活のために大切なことと考えており、第2次救急医療体制の中心的役割を担っている下田メディカルセンターの充実や在宅医療・介護連携の推進に努めてまいります。
 また、高齢者の方々がいつまでも地域の大切な存在として暮らせるまちを目指し、認知症への理解を深めるための研修会を開催するとともに、地域の見守り体制の強化に努めてまいります。

第2 観光振興を主体とした経済活性化事業

 観光振興・経済活性化に関しては、基幹産業である観光業の振興を図るとともに、本市の資源や資産に着目した新たな産業振興策の展開を推進してまいります。


1)観光振興策

 観光産業は、宿泊や交通、旅行業にとどまらず、小売業や製造業、農林水産業など、幅広い業種に経済効果が期待できることから、観光振興は市内経済の活性化と持続的な地域の発展に必要不可欠な重点施策と考えております。
 このことから、平成31年度におきまして、新たに観光戦略会議を立ち上げ、本市の魅力化、観光戦略の方向性等協議してまいります。また、これに併せ、観光まちづくり推進計画に掲げる「美しい里山づくり」、「世界一の海づくり」、「30カラーズ」、「美味しいまちづくり」の4プロジェクトのさらなる推進に努めてまいります。この事業では、各プロジェクトの成果を評価・検証するとともに、関係機関と連携し、魅力ある観光まちづくりを推進してまいります。
 観光情報の発信においては、引き続き、地域おこし企業人の制度を活用してシティプロモーションアドバイザーの派遣を受け、民間企業のノウハウや専門的知見、派遣元企業の有する情報や人的ネットワークを活用し、情報発信をするとともに、新たな魅力の創出に取り組んでまいります。また、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)を活用し、豊富な地域資源の魅力を国内外に発信してまいります。
 本年4月から6月までの期間において実施される静岡デスティネーションキャンペーンでは、3月31日にオープニングセレモニーが開催され、6月までの期間、市内観光関係団体や様々な団体と連携し、ブラッシュアップした黒船祭やあじさい祭をはじめ、蓮台寺しだれ桃と歴史文化財めぐりや竹あかりイベント等夜のイベントを企画しております。それ以外の期間においても、水仙まつり等各種イベントを実施し、観光入込客の増加につなげていく所存であります。
 黒船祭においては、第80回を迎え、2夜連続の海上花火大会を開催するとともに、80回を振り返り記念誌を発行します。
 世界一の海づくり事業につきましては、自然体験活動推進協議会を事業の軸とし、しーもん窓口での体験プログラムやジオサイト情報等の一元化及び発信業務の機能強化を図るとともに、各種講座の開催及び観光客が気軽に参加できる体験プログラムを企画してまいります。また、現在5か所に設置してあるビーチライブカメラをさらに1台追加し、年間を通し下田の美しい海の魅力の発信に努めます。
 2020年東京オリンピック・パラリンピック関連としまして、ホストタウンとして米国サーフィンチームの強化合宿等を受け入れ、小中学生との交流を図るなど、米国との文化・スポーツ交流事業を実施し、国内外へ本市の魅力をPRするとともに、東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成に努め、これにより将来のレガシーの構築を目指していきたいと考えております。
 平成30年度、ロケ誘致や支援のため、下田市ロケーションサービスを立ち上げロケ対応窓口を一本化しました。映画、CM、ドラマ等の撮影は増加しており、本市の魅力発信、知名度の向上、来遊客の増加等効果が期待されるため、積極的に取り組んでまいります。
 4月からの駿河湾フェリー運航におきましては、静岡県及び3市3町で構成する一般社団法人を設立し、運航を継続していきます。利用客の増加を図るとともに、本市のPRを行ってまいります。
 道の駅開国下田みなとを中心としたまどが浜海遊公園から下田市街地までの「みなとまちゾーン」を、静岡県、関係団体と連携し、交流とにぎわいの拠点とするための具体策について検討してまいります。
 美しい伊豆創造センター、観光関係機関と連携し、台湾、タイにおいて開催される観光展でのPR、また、国内においては、首都圏等での観光イベントに参加し本市をPRするとともに、ホームページ、フェイスブック等を活用し、本市の魅力を世界に発信してまいります。

 2)産業振興策
 産業振興策としまして、農林業では、引き続き、新たな農業の展開を目指したオリーブのまちづくり事業、里山整備や竹等地域資源の活用による美しい里山づくり事業を推進してまいります。商工業では、美味しいまちづくりプロジェクトによる商工会議所や商店会連盟等の商工団体と連携した下田ブランドの認証事業、住宅リフォーム振興の助成を実施してまいります。水産業では、下田市魚市場等整備計画支援事業、アワビやマダイ等の稚貝、稚魚の放流事業、漁船団誘致対策事業等への助成を継続するとともに、基盤となる漁港の機能保全として、外浦第2防波堤の整備を実施してまいります。


3)経済活性化

 企業誘致の推進に向けて、市内で増加している空き施設や空き店舗等の遊休施設を活用し、本市の実情にマッチした企業誘致、起業支援に取り組むため、官民が一体となった企業誘致の受け入れ体制を整備いたします。
 観光との連携による経済活性化として、インバウンドの増加など国内外の観光客を含めた利用者の利便性向上のため、キャッシュレス決済の普及策の検討を行い、新たな地域活性化の施策に取り組んでまいります。
 市街地活性化策としまして、旧町内においては、ポケットパークや駐車場の整備、周遊ルートの美装化、歴史的建造物の保全に関する助成など、固有の風情や歴史を活用したまちづくりに努めるとともに、庁舎跡地を含めた伊豆急下田駅周辺地区の整備に向け、基本構想の策定を行います。

第3 防災対策事業

 防災対策を推進するに当たっては、気候変動に伴い年々被害が甚大化する気象災害、その発生がひっ迫の度合いを高める地震・津波災害に対し、市民の生命と財産を守り、安心安全のまちとするため、ハード・ソフト両面の危機管理能力の向上を図り、盤石な防災体制の確立を目指します。
 第一にハード事業としましては、より伝わりやすい広報を目指し、同報系防災行政無線のデジタル化を、今年度と来年度の2か年で整備してまいります。また、敷根避難路の整備や貯留槽型非常用トイレの設置等の避難所環境向上に係る事業、消防団の強化を目的とした資機材整備事業等を継続して行ってまいります。
 老朽化した橋梁は、落橋等の事故による市民生活に与える影響が大きいため、橋梁長寿命化修繕計画に基づき耐震補強事業を継続してまいります。平成31年度は平成30年度に引き続き、ゆのもと橋の補強工事を実施してまいります。
 大規模地震に備え、道路閉塞を未然に防止するため、国道414号沿線の建築物の耐震化に対する補助制度を創設いたします。
 小学校の防災機能に関しては、浜崎小学校屋内運動場の耐力度調査を実施するとともに、市内全小学校の防火扉や防火シャッターの改修を実施し、防災機能の向上に努めてまいります。
 公共下水道の地震対策として、武ガ浜ポンプ場の耐震補強工事を進めてまいります。
 第二にソフト事業としましては、国及び県から示される南海トラフ地震の新たな対応ガイドラインに基づく、下田市地域防災計画の全面改訂に向けた準備を進めるとともに、津波避難路整備に伴う津波避難計画の更新と津波避難ビルの指定に向けた準備を行ってまいります。また、自助・共助の充実を図るため、防災訓練や防災講座の充実、自主防災組織強化のための資機材配備等を実施してまいります。

 次に三本の柱以外の重視すべき施策について、御説明させていただきます。

第4 重要課題

1)第4次下田市総合計画等各種計画の改訂

 第4次下田市総合計画及びまち・ひと・しごと創生総合戦略について、計画期間が満了を迎えることから、平成31年度から2か年をかけて、現行計画に続く次期計画の策定作業に着手いたします。これらの計画は、厳しい社会情勢の中で、本市のまちづくりの基盤となる計画であることから、計画期間における事業の実施状況や目標値に対する評価、計画の達成度等を分析することにより、本市の実相を明らかにし、将来に向けた明確なビジョンと具体的な方策を盛り込んだ計画とするよう、的確な策定作業を進めてまいります。
 また、本市の地域福祉推進の基本指針である下田市地域福祉計画は、計画の最終年度を迎えます。地域社会を取り巻く環境は変化を続けており、これまで取り組んできた事業を改めて検証し、市民の皆様の意見を取り入れながら策定作業を進めてまいります。

2)新庁舎建設

 新庁舎建設事業に関しては、新庁舎建設設計・工事監理業務及び基本設計再構築業務に基づき、平成30年度に基本設計書作成後、実施設計書の作成を進めました。引き続き、平成31年度は、土地収用法に基づく事業認定を受けた後、用地を10月までに取得し、建設工事には11月頃着手する計画としております。
 2021年3月の竣工を目指し、執行体制は、建設事業に豊富な経験と知識のある職員で構成し、盤石の体制を整え、着実に庁舎建設事業を実施してまいります。

3)中学校再編整備

 市立中学校の再編に関しては、平成30年12月市議会におきまして、新中学校の名称が「下田市立下田中学校」と決定しました。
 今後も引き続き、新中学校のあり方を検討するため、下田市立学校統合準備委員会により、新中学校の理念をはじめとし、制服、校章、校歌、部活動等具体的な検討を進め、魅力的な教育環境の創出に努めてまいります。
 また、下田中学校校舎の大規模改修、屋内運動場の整備のため、実施設計を進めるとともに、仮設校舎の整備に着手し、新しい中学校の建設工事を推進してまいります。

第5 広域連携

1)賀茂地域広域連携会議

 平成30年度に開始した介護事業所指定・指導監督及び住民の健康寿命の延伸と生活の質の向上を図るため、糖尿病等重症化予防事業の共同実施を継続し、介護保険及び保健事業の体制強化を図ってまいります。
 広域連携の構想のもとに、設立された賀茂地方税債権整理回収協議会を活用して、平成30年度に引き続き、更なる滞納額の縮減、収納率の向上を目指し、市税の効果的な徴収事務に取り組んでまいります。
 活動実績を上げている賀茂広域消費生活センターに関しては、引き続き、協力体制を継続してまいります。
 地籍調査事業に関しては、これまでの成果を拡充して、平成31年度は一丁目及び二丁目の一部地区の調査を実施してまいります。
 幼児教育に関しては、新たに賀茂地区1市5町で専任の幼児教育アドバイザーを配置し、さらなる質の充実を図ってまいります。

2)市営塵芥処理場整備事業

 市営塵芥処理場は、建設後37年が経過し、老朽化への対応は喫緊の課題です。新施設の整備に当たり、整備や運営に係るコストの削減や環境負荷の低減を図ることを念頭に、広域化によるメリットを再検討し、関係町との協議を継続してまいります。

第6 その他重点事業

1)道路整備

 道路整備は、第4次下田市総合計画の基本目標に掲げる「自然環境や景観を活かしながら、市内外へ安全で円滑な移動ができる道路網の整備」を目指し、下記の事業に取り組んでまいります。

・伊豆縦貫自動車道及びアクセス道路整備
 整備が進められている伊豆縦貫自動車道の早期開通に向けて、引き続き要望活動に取り組むとともに、用地交渉、関係機関との連携及び事業協力等に積極的に取り組んでまいります。また、伊豆縦貫自動車道本線の整備と並行して、防災対策や渋滞対策への対応を図るために、県道河津下田線などの伊豆半島の肋骨となる幹線道路の整備促進を図ってまいります。
・都市計画道路整備
 平成30年度に策定した「都市計画道路整備プログラム」に基づき、優先順位に沿って整備を進めてまいります。
 特に、都市計画道路武浜横枕線のうち、2022年4月開校の新下田中学校への通学路となる国道136号の本郷交差点から本郷西交差点までの区間は、優先整備すべく道路管理者と協議を進めてまいります。
・生活道路整備
 各地区から提出される要望に基づき、避難路の整備を考慮し、車両及び歩行者の安全性の確保、利便性の向上を主眼に、着実に生活道路の維持改良を進めてまいります。

2)教育振興

 小学校学習指導要領の改訂により、2020年度から小学校においてもプログラミング教育が必修化となることに伴い、中学生を対象としたプログラミング教室に引き続き、小学校においても、先行的にプログラミング教材を導入し、児童のプログラミング的思考、情報活用能力等の育成に努めてまいります。
 教育環境の向上のため、小学校の勉学環境改善を図り、必要な教室の空調設備の整備を実施してまいります。中学校は、統合を控えていることにより、夏季期間に普通教室に冷房設備を借り上げることで、生徒の健康を守り、安心して学習に取り組める環境を整備してまいります。加えて、教職員のパソコン機器を更新し、昨年度導入した校務支援システムの活用と併せ教職員の働き方の改善に努めてまいります。

3)国際交流

 国際交流としまして、本年は黒船祭が第80回の記念の年となることから、今後さらなる日米両国の友好関係の発展のために記念式典及び記念事業を実施いたします。また、昨年開始したロシア連邦との友好交流事業をさらに推進することとし、ロシア人墓地での慰霊祭や講演会等を開催するとともに、児童・生徒による在日ロシア人学校との交流を進めてまいります。さらに、国際交流コンサートも継続実施いたします。

4)図書館の移転

 図書館の移転に関しては、基本構想策定に向けた準備を進めてまいります。

5)事務・事業の効率化

 市民等の利便性向上のため、2019年8月からマイナンバーカードを利用し、全国のコンビニエンスストア等において、住民票の写し、戸籍謄・抄本、戸籍の附票の写し、印鑑登録証明書、税証明書の自動交付サービスを開始いたします。
 公民館の統合や中学校の再編整備により用途廃止となることが予定されている施設や用途廃止後も活用方針が決まっていない施設について、公有財産有効活用検討委員会において、今後の行政ニーズや市民ニーズに対応するための活用を検討してまいります。特に、平成31年度は、朝日公民館及び旧樋村医院の活用の検討を始めます。
 公共施設等総合管理計画に基づいて、2019年度中期までに個別施設計画を策定し、市有施設の数量や配置を検討するとともに、計画的な維持管理を図るよう進めてまいります。

 以上、平成31年度の所信の一端を申し上げましたが、市政を司るに当たり、冒頭にも申し上げた「虚心担懐」「公論傾聴」「先見洞察」「熟慮断行」を座右の銘とし、「市民の心をわが心として」の初心を忘れることなく、市役所職員、一致団結して、能動的に事業を執行し、もって市民の負託に応えていく所存でありますので、市民の皆様並びに議員各位の市政に対する温かい御理解、御協力と御鞭撻を賜るよう、衷心からお願いするものでございます。

 以上、平成31年度の施政方針とさせていただきます。 

下田市長 福井 祐輔

平成31年度(2019年度)施政方針(pdf 372kb)←PDF版はこちらからご覧ください。
 更新日:2019/02/22
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