共通市章

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令和2年度施政方針

 令和2年下田市議会3月定例会におきまして、令和2年度各会計予算並びに各議案の御審議をお願いするに当たりまして、新年度に向けた施政方針を申し上げ、市民の皆様並びに議員各位の市政に対する深甚なる御理解と絶大な御協力をお願い申し上げるものでございます。

1. これまでの市政を顧みて

 早いもので、平成28年7月、「疲弊していくふるさと下田を再興させる。」という強い思いを胸に市長に就任して以来、3年半余が経過し、いよいよ今任期の総決算の時を迎えました。これまでの間、公約に掲げました下田再興の実現に向けて、全力で市政執行に邁進してまいりました。今なお解決しなければならない課題は残されておりますが、市民の皆様に「下田は、確実に変革への歩を進めている」との実感を持っていただいているものと自負しております。これもひとえに、議員の皆様をはじめ、市民の皆様からの温かい御理解、御支援と御鞭撻の賜であると、深く感謝しております。
私は、本市を率いるリーダーとして、「虚心坦懐」「公論傾聴」「先見洞察」「熟慮断行」を座右の銘とし、常に、「市民の心をわが心」として、事業の立案・実行に心血を注いでまいりました。市民の皆様からいただきました任期の総決算として、これまでの基本的な方針を堅持し、諸々の課題を解決して、市民の皆様の負託に応えられるよう、残された期間はわずかですが、市役所全職員の英知と実行力を結集し、率先躬行、職務に邁進する所存であります。

2. 令和元年度の市政を顧みて

 就任以来、下田再興に向けた基本方針として、「人口減対策」「観光振興を主体とする経済の活性化」「防災対策」の三本の柱を掲げてまいりました。
具体的な取組として、人口減対策では、移住・交流居住促進事業、空き家バンク制度の運用、少子化対策事業などの促進、観光振興を主体とする経済活性化では、静岡デスティネーションキャンペーンへの参加、ワーケーション事業等、誘客の増加を狙いとした事業の実施、みなとまちゾーン活性化事業など諸事業の推進、防災対策では、敷根避難路の北側の整備と避難施設の充実やデジタル同報系防災行政無線の整備などに取り組んでまいりました。
また、市庁舎建設につきましては、令和元年11月に建設用地を購入し、令和2年度の建設工事着手に向けて、調整を行っております。
さらに中学校再編に関しては、令和4年4月の開校を目指し、新中学校の理念をはじめ、校章、校歌、部活動等具体的な検討を行い、1校化に向けた準備を着実に進めてまいりました。なお、令和元年度に制服が決定したことから、令和2年度より各中学校において、新1年生は新しい制服を着用することとなりました。
このほか、伊豆縦貫自動車道の整備促進に関しては、天城北道路や道の駅伊豆月ヶ瀬が供用開始されるとともに、河津―下田道路の第2期区間の工事においてトンネルや橋梁などが姿を現してきましたことで、国と県への要望活動の成果が結びつつあることを強く実感しております。
付け加えるに、令和元年度は、既存事業の他、旧下田地区における街なみ環境整備事業や駐車場整備、観光地エリア景観計画の策定、教育環境整備(空調機器・校舎建設)、オリンピックホストタウン事業、市役所移転後のまちづくりの検討など、新規事業に積極的に取り組んできたところであり、各分野で将来への動きが芽生え始めるなど、基本方針の具現化を目指し、企画立案した事業はほぼ順調に進捗したとの確信を持っております。

3. 社会情勢に対する所感

 昨今の国際情勢を概観いたしますと、米国においては、トランプ政権誕生から3年が経過し、この間、TPP(環太平洋経済連携協定)や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱に止まらず、WTO(世界貿易機関)やユネスコからの脱退を表明するなど、他国との協調より自国を優先する姿勢が続いており、国際社会の政治経済に大きな不安感を与えています。また、ヨーロッパにおいては、中東などからの多くの難民・移民による社会的・政治的問題に端を発し、英国がEUから離脱し、ドイツや北欧諸国などでも、自国利益優先の政党が台頭する動きも見せております。さらに、中東においては、一触即発の緊張感を拡散したアメリカとイランの対立やエルサレムを巡ってイスラエルとパレスチナの対立が深まるなど、世界全体の先行きが不安定なものとなっております。
さらに、日本周辺においては、米中の貿易摩擦、力による中国の現状変更の試み、日韓関係の冷え込み、一時融和の見られた米朝関係の緊張再燃、また、日露領土交渉の膠着状態は引き続き維持されるものとみられています。
次に、国内に目を向けますと、昨年は皇位継承に伴う改元が行われ、平成から新たに令和の時代が始まりました。本市においても、御用邸のあるご縁により、即位奉祝記念事業を挙行し、市民の皆様とともに新たな時代の始まりをお祝いいたしました。また、我が国で初めてラグビーワールドカップが開催された年でもありました。日本中が日本チームの活躍に熱狂し、一丸となった応援が続き、まさに日本全体がワンチームとなった素晴らしいイベントになりました。
一方、経済の面では、安倍政権による一連の経済政策の効果もあり、景気の回復基調が続き、企業収益が改善している中で、今後景気回復の効果が地域や中小企業などへ行き渡り、労働者個人の所得向上につながることが期待されています。また、雇用、所得環境が改善する一方、持続的な経済成長の実現に向けて、消費を活性化させるために、生産性向上を目的とした「働き方改革」の推進が求められています。労働力不足が続く中、長時間労働の改善や女性、高齢者の就労促進など、誰もが活躍できる社会を目指す必要があると認識するところであります。
また、産業分野においては、5GやAI(人工知能)等といった最先端技術の導入による技術革新が急速に進んでおり、Society5.0の実現に向け、産業、生活、交通等あらゆる分野に広がりを見せています。人口減少、高齢化の進行による担い手不足に対応するために、生産性や効率性の向上の手段として欠かすことのできないツールであることを認識しておく必要があります。
平成27年度から本格的に開始された「地方創生」の取組は、本年度第1期の期間満了を迎え、地方においても徐々に成果が表れ始めていると言われております。しかしながら、地方創生の諸施策にもかかわらず、人口減少や人口の東京一極集中の流れには歯止めがかからず、むしろ加速の一途をたどっており、多くの地方自治体は活力を失いつつあります。こうした状況において、引き続き地方創生の実現に向けた取組を推進するため、国は第2期地方創生総合戦略の策定を決定したところであります。本市におきましても、国の動きに合わせ、少子化や首都圏への人口の集中を是正するために、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の取りまとめを行っております。この戦略では、事業推進に当たり、前例や他地域の模倣ではなく、地域の実相を把握し、その特性に応じた策を施し、稼ぐ力の向上、資産や人材の有効活用等地域を活性化しその魅力を向上していくことを掲げることとしています。
昨今コロナウイルスの感染症対策の奏功如何によっては、イベント等開催への大きな影響が懸念されるところでありますが、下田市においては感染症予防に万全を尽くさなければならないと考えています。

4. 新年度の市政執行に当たって

 新年度の市政執行の基本姿勢について申し上げます。
令和2年度の予算編成におきましては、三本柱の根幹となる既存事業は堅持しつつ、地域の課題に的確に対応し、将来への投資となる未来志向の事業を盛り込み、さらには市民の皆様と行政が密接な協力関係を継続的に維持できる仕組みづくりに取り組むこととしております。
私は、こうした意識をもって市政を執行する所存でありますが、市民の皆様、そして議員の皆様にも、是非、共通の認識をもっていただき、市全体が一丸となって、現在の難局を乗り越え、明るい未来を構築するために、あらゆる面で、能動的な施策を講じたいと考えております。

(1)組織機構

 各種施策の能動的な企画・実行を目指し、統合政策課を中心に、庁内各分野の有機的な連携をより強固にするとともに、国・県において実践経験を持つ人材を受け入れることにより、重点事業として掲げている三本柱を推進することを主眼に、効率的・効果的に能力を発揮できる組織の構築を目指してまいります。
また特に、令和2年度におきましては、人口減対策の一層の推進に向けて、新たに産業振興課内に「地域経済促進係」を設置し、移住・交流居住促進事業、空き家・空き店舗対策、企業誘致について各産業と連携し、地域活性化の推進を図ります

(2)三本柱(人口減対策、観光業の振興を主体とした経済活性化、防災対策)

 就任以来、全身全霊を傾注してまいりました人口減対策、観光業の振興を主体とした経済の活性化、防災対策の三本の柱の具現化のためには、限られた資源、資産、人材を有効に活用するとともに、予算配分においては、選択と集中を念頭に置いて、事業の推進を図りたいと考えております。
人口減対策に関しては、市外からの転入者や交流人口、関係人口の増加を図るための移住・交流居住促進事業に積極的に取り組むととともに、市民の皆様が安心して暮らすことができ、このまちに住んで良かったと感じることのできる施策として、医療、子育て支援、高齢者福祉、学校教育、生涯学習等の充実や健康増進の促進、各地区特有の課題の解決などを推進してまいります。
経済の活性化を遂行するに当たっては、基幹産業である観光業の振興に力を注ぎ、本市の持つ魅力を丁寧に磨き上げるとともに、外部、特に首都圏周辺に向けた情報発信及び政府機関を利用して外国への情報発信も強化していきたいと考えております。また、新たな雇用機会の増加などの産業基盤の拡大を図るため、企業誘致や起業支援施策の強化を図ります。
防災対策においては、市民の生命財産を守るため、逐次不備な点を補うとともに、ハード、ソフトの両面で防災対策を推進し、万全な災害対策の実現に向け邁進したいと考えております。
これら三本の柱は、相互の連関による相乗効果を常に意識し、庁内における横断的な事業展開はもとより、市民や関係各位の積極的な参加、協力によりはじめて効果を発揮できるものと認識しているところでございます。

(3)重要課題(新庁舎建設、新総合計画策定、中学校再編整備)

 新庁舎建設は、令和2年度の最重要課題であると考えております。建設工事に関しては、社会情勢等の諸事情により当初計画より遅れておりますが、令和2年度に建設工事に着手し、令和4年度の供用開始に向けて、職員一丸となって事業を推進してまいります。
本市のまちづくりの基盤となる「第4次下田市総合計画」は、令和2年度をもって計画期間が終了いたします。人口減少、経済の低迷等厳しい社会情勢の中で、本市が再興に向けて進むべき明確なビジョンを示すことができる実効性の高い新総合計画の策定を進めてまいります。
市立中学校の再編に当たっては、令和4年度の開校に向けて、生徒の教育環境の向上を第一に、未来の下田を担う中学校としての再編整備を進めてまいります。

5. 予算編成の基本的考え方

(1)国の地方財政対策等について

 令和元年12月に閣議決定された「令和2年度地方財政対策」によると、地方が安定的な財政運営を行うために必要な地方税、地方交付税等の一般財源総額は、令和元年度の水準を下回らない同水準を基本とし、前年度を0.7兆円上回る63.4兆円が確保されました。地方交付税総額についても、前年度を0.4兆円上回る16.6兆円が確保されるとともに、臨時財政対策債の発行額を前年度から0.1兆円抑制されるなど、地方財政にとってはプラス要因となる情報が公表されました。
しかし、一方では「令和2年度予算編成の基本方針」の中で、地方に対して財政健全化の推進を強く求めるという考え方も示されています。
国は、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、国債費が一般会計歳出総額の2割以上を占めるなど、引き続き厳しい状況にあることから、デフレ脱却・経済再生と財政健全化に一体的に取り組み、2025年度の国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指すとしています。さらに、令和2年度予算については、歳出全般で聖域なき徹底した見直しを推進し、地方においても国の取組と基調を合わせ徹底した見直しを進めるとしていますので、地方の財政規模の縮小化や、効率的な行財政運営の推進などを求める働きかけが、厳しさを増すとも考えられ、目標とされる2025年度に向けて、国の動向には十分な留意が必要となります。

(2)本市の財政状況と令和2年度予算編成の方針

 本市の平成30年度決算では、財政力指数や、実質公債費比率等といった指標には改善が見られたものの、財政の弾力性の判断指標となる経常収支比率は、物件費、補助費、公債費の支出増を要因として、90.5%(+2.6ポイント)となり、財政の硬直化が進みました。また、負債の大きさを財政規模に対する割合で表す将来負担比率については、60.1%となり、前年度から21.2ポイント悪化しました。
この決算状況を参考に、各課提供の将来的な所要額や歳入見込の資料を基に作成した「中期財政見通し」では、令和2年度で約14億円の財源が不足し、以降も毎年、財源不足が続き、令和6年度までの向こう5年間では約54億円の財源不足が見込まれるという試算結果となりました。
本市では、人口や事業所数とともに、自主財源となる税収も減少が進む一方で、社会保障関連経費や老朽化施設維持管理等の財政需要は、年々、増えていく傾向にあり、財源を地方債の借入れに依存する比率が高くなっています。
特に、令和2年度に本格化する、新庁舎建設事業と中学校再編事業の後にも、じん芥処理場の更新など、大型事業が続々と控えていることから、物件費や公債費の支出が増えることは確実で、更なる経常収支比率の悪化による財政の硬直化が進むと懸念されます。
このような厳しい財政状況下にあって、多種多様な市民ニーズの全てに応えることは現実的には困難ですが、必要な市民サービスの持続は行政の責務であり、総合計画に掲げた「自然と歴史を活かし、やすらぎと活力のあるまち」を目指し、目標の達成に近づけるように、可能な限りまちづくりを前に進めなければなりません。即ち、財政健全化とまちづくりを並行して進めていくことが、本市行財政の大きな課題といえます。
以上を踏まえて、令和2年度の予算編成に当たっては、引き続き、人口減対策、観光振興を主体とした経済活性化事業、防災対策事業の3本の柱を重点事業として定め、とりわけ、新庁舎建設と中学校統廃合の2大事業の着実な遂行と、未来まで続く持続可能な財政運営に向け、歳入確保を徹底するとともに、各々の政策・事業・事務事業においても先例にとらわれることなく、廃止、見直し、新規事業の立ち上げを徹底的に検討し、効率的かつ合理的な事業予算の計上に努めることを方針として定めました。

(3)予算規模

 本市の当初予算規模は、一般会計及び全特別会計等を合わせて、222億5,991万7千円で、前年度に比べ19億9,869万7千円、9.9%の増となり、各会計間の重複額を除いた純計額では、209億728万1千円で、前年度に比べ19億7,121万3千円、10.4%の増となりました。一般会計は128億7,500万円で、前年度に比べ16億7,500万円、15.0%の増となりました。

6. 重点事業への対応

 第4次下田市総合計画の重要施策に対応する重点事業について、御説明申し上げます。

第1 人口減対策事業

1)人口減対策

 人口減対策に関しては、新たな地域の担い手となる人づくりとして、市外からの転入等を増加させる移住・交流居住事業や本市出身者が戻ってくることができる環境づくりを促進するとともに、子どもを生み育てたくなるまち、安心して暮らし続けられるまちを実現するために、医療や福祉の充実によるやさしい地域環境の整備を進めてまいります。
第一に移住・交流居住事業としまして、移住情報の発信、相談体制の構築、移住活動の支援、空き家バンク制度による住宅情報の提供等を推進し、県外から本市への移住者の増加や都会と地方を往来する二地域居住の奨励による交流人口の増加を図ってまいります。
また、将来的に本市で起業することができる高度な思考力・技術力を身につけることを目的に、引き続き中学生を対象としたプログラミング教室を開催してまいります。
第二に少子化対策としまして、子育て世代包括支援センターを核として、不妊治療費助成、産前・産後サポート事業や産後ケア事業を実施し、妊娠・出産・育児への切れ目ない支援を実施してまいります。
第三に子育て支援としまして、子育てに要する保護者への情報提供及び経済的負担の軽減を図るため、子育て支援アプリの改修及び育児用品購入費助成、保育環境の充実、保育所等利用者負担金及び給食費の軽減措置、中学校就学準備給付金の支給、子ども医療費助成、未就園児を対象としたお試しクーポン券交付事業、病児保育事業への助成を継続してまいります。また、放課後児童対策として新たに浜崎小学校に放課後児童クラブを開設いたします。
住宅リフォーム振興助成金におきまして、世帯構成員に中学生以下の子どもを有する世帯に対する上乗せ助成を継続し、良好な子育て環境の整備を促進してまいります。
第四に医療、高齢者福祉事業としまして、いつでも、適切な医療を受けられることは、安心で健やかな生活のために大切なことと考えており、第2次救急医療体制の中心的役割を担っている下田メディカルセンターの充実や在宅医療・介護連携の推進に努めてまいります。併せて、順天堂大学医学部附属静岡病院と患者の画像検査データをリアルタイムで共有するネットワーク整備により、救急患者が出た際の指導助言や、搬送後速やかに救急医療が提供できる体制を構築し、医療面に不安を抱える地域の住民の安心につなげてまいります。
また、高齢者の方々がいつまでも地域の大切な存在として暮らせるまちを目指し、高齢者に対する相談体制を充実するとともに、高齢者の社会参加・介護予防・健康増進を目的とした居場所整備の体制強化に努めてまいります。

第2 観光振興を主体とした経済活性化事業

 観光振興・経済活性化に関しては、基幹産業である観光業の振興を図るとともに、本市の資源や資産に着目した新たな産業振興策の展開を推進してまいります。


1)観光振興策

 観光産業は、宿泊や交通、旅行業にとどまらず、小売業や製造業、農林水産業など、幅広い業種に経済効果が期待できることから、観光振興は市内経済の活性化と持続的な地域の発展に必要不可欠な重点施策と考えております。
令和元年度に立ち上げた観光戦略会議において、本市の魅力化、観光戦略の方向性等協議していくとともに、観光まちづくり推進計画に掲げる「美しい里山づくり」、「世界一の海づくり」、「30カラーズ」、「美味しいまちづくり」の4プロジェクトのさらなる推進に努め、各プロジェクトの成果を評価・検証するとともに、関係機関と連携し、魅力ある観光まちづくりを推進してまいります。
本年4月から6月までの期間において実施される静岡デスティネーションキャンペーンアフターキャンペーンでは、市内観光関係団体や様々な団体と連携し、黒船祭、あじさい祭をはじめ、竹あかりイベント等夜のイベントも計画しております。それ以外の期間においても、水仙まつり等各種イベントを実施し、下田の魅力向上に努め、観光入込客の増加につなげていく所存であります。
世界一の海づくり事業につきましては、自然体験活動推進協議会を中心に、しーもん窓口での体験プログラムやジオサイトの情報発信を図るとともに、各種講座の開催及び観光客が気軽に参加できる体験プログラムを企画してまいります。
2020年東京オリンピック・パラリンピックホストタウンとして、米国サーフィンチームに対し、事前キャンプやオリンピック後の機会を通して小中学生との交流を要請し、米国との文化・スポーツ交流事業を実施したいと考えております。聖火リレー及びそれに係わる諸行事を実施することにより、東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成に努め、これにより将来のレガシーの構築を目指していきたいと考えております。
下田市ロケーションサービスにより映画、CM、ドラマ等ロケ誘致や支援を積極的に行い、本市の魅力発信、認知度の向上、来遊客の増加に努めてまいります。
駿河湾フェリー運航におきましては、静岡県、3市3町、関係機関等と連携し、利用者の増加に努めるとともに、本市のPRを行ってまいります。
道の駅開国下田みなとを中心としたまどが浜海遊公園から下田市街地までの「みなとまちゾーン」の活性化に向けて、静岡県や関係機関と連携し、交流とにぎわいの拠点とするための具体策について検討してまいります。
インバウンド対策としては、美しい伊豆創造センター等と連携し、台湾、タイにおいて開催される観光展でのPR、また、世界20か国に事務所を持つ日本政府観光局(JNTO)の海外ネットワークを活用し、マーケティング情報等を収集するとともに、観光情報の提供発信を行い、訪日外国人旅行者の誘致に努めます。
国内においては、首都圏等での観光イベントに参加し本市をPRするとともに、ホームページ、フェイスブック等を活用し、本市の魅力を発信してまいります。

 2)産業振興策
 産業振興策としまして、農林業では、引き続き、新たな農業展開の検討、里山整備や竹等地域資源の活用による美しい里山づくり事業を推進してまいります。また、森林環境譲与税を活用した森林整備にも、効果的な手法を検討し、取り組んでまいります。
水産業では、下田市魚市場等整備計画支援事業を行うとともに、沿岸漁業の発展を図るため、稚貝、稚魚の種苗放流事業に助成し、水産資源の育成と活用拡大に努め、水産物の安定供給を推進してまいります。
また、下田港の漁獲水揚げ高の増加による漁協経営の安定化及び市内経済の活性化を図るため、外来漁船団の誘致を引き続き推進します。
商工業では、美味しいまちづくりプロジェクトや地域ブランディング推進事業により商工会議所や商店会連盟等の商工団体と連携した地域活性化事業の充実を図るとともに、住宅リフォームに対し助成を実施してまいります。


3)経済活性化

 経済活性化に向けて、令和元年に取組を開始したワーケーション事業の一層の推進を図り、都市と地元企業の交流による新たなビジネスの創出を促すとともに、市内で増加している空き施設や空き店舗等の遊休施設について、企業誘致、起業支援、交流居住等への活用を検討し、官民が一体となって事業を推進してまいります。
これらの事業により、市外からの移住等が増加し、人口減対策の一助として期待されるところです。
ふるさと納税制度と連携した取組として、地域の特産品や地域資源を活用し、新しく魅力的な返礼品の開発を進めることにより、地域経済の活性化とふるさと応援寄附の増加を目指します。
市街地活性化策としまして、旧町内においては、周遊ルートの美装化、歴史的建造物の保全に関する助成など、固有の風情や歴史を活用したまちづくりに努めるとともに、庁舎跡地を含めた伊豆急下田駅周辺地区の整備基本構想の実現に向けて事業を推進してまいります。

第3 防災対策事業

 防災対策の推進としまして、気候変動に伴い年々被害が甚大化する気象災害、発生のひっ迫度を高める地震・津波災害に対し、市民の生命と財産を守り、安心安全のまちとするため、ハード・ソフト両面の危機管理能力の向上を図り、盤石な防災体制の確立を目指します。
第一にハード事業としましては、より伝わりやすい広報を目指し、令和元年度より取り組んでおります同報系防災行政無線のデジタル化について、令和2年度末の完成を目指し、引き続き整備を進めてまいります。また、台風により甚大な被害を受けました敷根避難路の早期復旧、消防団の強化を目的としたポンプ自動車及び軽四輪小型ポンプ積載車の整備並びに第2分団第2部と第4部の統合に向けた詰所の設計等を行ってまいります。
高度経済成長期に集中的に整備されてきた道路施設は、老朽化が進行しており、とりわけ橋梁は、落橋等の事故による市民生活に与える影響が大きいため、橋梁長寿命化修繕計画に基づき耐震補強事業を継続してまいります。令和2年度は引き続き、ゆのもと橋の補強工事、及び本郷橋の耐震補強に取り組んでまいります。
大規模地震に備え、令和元年度創設した国道414号沿線の建築物の耐震化に対する補助制度を拡充し、道路閉塞の未然防止対策を進めてまいります。
学校施設の防災機能に関しては、浜崎小学校屋内運動場の改修工事を実施するとともに、小学校のトイレ改修を実施し、避難所としての機能を強化してまいります。
水道事業におきましては、白浜調整池の耐震診断を実施するとともに、下水道事業におきましては、武ガ浜地区の管渠耐震工事を実施してまいります。
第二にソフト事業としましては、平成31年3月15日に静岡県により告示されました、稲生沢川における1000年に1度の想定最大規規模降雨以上による浸水想定等を反映させました土砂災害・洪水ハザードマップが令和2年3月末に完成する予定であり、4月に全戸配布するほか、現在、津波防災地域づくりに関する法律に基づく津波災害警戒区域の指定に向けて取り組んでおり、これまでの浸水深だけでなく、同法に規定される基準水位を反映させた津波ハザードマップの周知を行います。また、地域防災計画に南海トラフ地震臨時情報への対応を反映させてまいります。
生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある大規模自然災害等に備えた強靭な地域づくりを推進するため、国土強靭化地域計画を策定いたします。また、自助・共助の充実を図るため、防災訓練や防災講座の充実、自主防災組織強化のための支援を実施してまいります。

次に三本の柱以外の重視すべき施策について、御説明させていただきます。

第4 重要課題

1)新庁舎建設

 新庁舎建設事業に関しては、新庁舎建設設計・工事監理業務及び基本設計再構築業務に基づき、令和元年度は、土地収用法に基づく事業認定を受けた後、建設部分の用地について11月に取得が完了しました。
並行し進めていた実施計画を基に入札を行いましたが、一部落札まで至りませんでした。設計の調整・見直しを行い、令和2年度の着手、令和3年度末の竣工、令和4年度初旬の供用開始に向けて事業を進めてまいります。

2)第4次下田市総合計画の改訂

 令和2年度末の第4次下田市総合計画の計画期間の満了に向けて、令和元年度から2か年をかけて、現行計画に続く次期計画の策定作業を進めております。これらの計画は、厳しい社会情勢の中で、本市のまちづくりの基盤となる計画であることから、計画期間における事業の実施状況や目標値に対する評価、計画の達成度等を分析することにより、本市の実相を明らかにし、将来に向けた明確なビジョンと具体的な方策を盛り込んだ計画とするよう、的確な策定作業を進めてまいります。

3)中学校再編整備

 市立中学校の再編に関しては、引き続き、通学方法や部活動の在り方、校章、校歌など、より具体的な中学校の在り方を検討し、魅力的な教育環境の創出に努めてまいります。
また、下田中学校の大規模改修工事を進めるとともに、新体育館及びグラウンドの整備に着手し、再編に伴う下田中学校の建設工事を推進してまいります。

第5 広域連携

1)賀茂地域広域連携会議

 住民の健康寿命の延伸と生活の質の向上を図るため、糖尿病等重症化予防事業の共同実施を継続し、介護保険及び保健事業の体制強化を図ってまいります。
賀茂地方税債権整理回収協議会に関しては、引き続き、更なる滞納額の縮減、収納率の向上を目指し、市税の効果的な徴収事務に取り組んでまいります。
活動実績を上げている賀茂広域消費生活センターに関しては、引き続き、協力体制を継続してまいります。
地籍調査事業に関しては、平成29年度より共同実施に着手しており、引き続き令和2年度は、一丁目及び二丁目の一部地区で調査を実施してまいります。
学校教育に関しては、令和元年度に賀茂地区6市町に導入が完了した校務支援システムを活用し、事務の統一化と教職員の多忙化解消を図り、教育環境の質の向上に努めてまいります。
また、幼児教育に関しては、引き続き専任の幼児教育アドバイザーを配置し、さらなる質の充実を図ってまいります。

2)市営塵芥処理場整備事業

 市営塵芥処理場は、建設後38年が経過し、老朽化への対応は喫緊の課題です。新施設の整備に当たり、整備や運営に係るコストの削減や環境負荷の低減を図ることを念頭に、処理方法や広域化によるメリットを再検討し、関係町との協議を継続してまいります。

3)伊豆斎場長寿命化改修事業(一部事務組合)

 伊豆斎場は、建設後40年が経過し老朽化が顕著となっています。設備の多 くが修繕を要する状態となっていることから、火葬炉の全交換、建物の改修、非常用発電設備の導入などの長寿命化改修事業を令和3年度までに実施し、施設の適切な維持管理と今後の運営コストの削減に努めてまいります。

第6 その他重点事業

1)東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、本市が聖火リレールートに決定したことから、万全の準備を進めていくとともに、オリンピアン講演会、ボッチャ教室等の事業を実施し、機運醸成・レガシー構築に努めてまいります。
また、静岡県東部地域を舞台に開催される自転車競技につきましては、東部地域一丸となり、受入準備や機運醸成を図るとともに、レガシーの構築に努めてまいります。

2)道路整備

 道路整備は、第4次下田市総合計画の基本目標に掲げる「自然環境や景観を活かしながら、市内外へ安全で円滑な移動ができる道路網の整備」を目指し、次の事業に取り組んでまいります。

 ・伊豆縦貫自動車道及びアクセス道路整備
  整備が進められている伊豆縦貫自動車道の早期開通に向けて、引き続き要望活動に取り組むとともに、用地交渉、関係機関との連携及び事業
 協力等に積極的に取り組んでまいります。また、伊豆縦貫自動車道本線の整備と並行して、防災対策や渋滞対策への対応を図るために、県道河
 津下田線などの伊豆半島の肋骨となる幹線道路の整備促進を図ってまいります。

 ・都市計画道路整備
  平成30年度に策定した「都市計画道路整備プログラム」に基づき、優先順位に沿って整備を進めてまいります。
  特に、都市計画道路武浜横枕線のうち、新下田中学校への通学路となる国道136号の本郷交差点から本郷西交差点までの区間は、優先整備す
 べく道路管理者と引き続き協議を進めてまいります。

 ・生活道路整備
  各地区から提出される要望に基づき、避難路の整備を考慮し、車両及び歩行者の安全性の確保、利便性の向上を主眼に、着実に生活道路の維
 持改良を進めてまいります。

3)港湾整備

 下田港は天然の良港であり、避難港の指定を受けるなど、重要な港湾として位置づけられておりますが、避難港から脱皮して、下田市の経済活性化に寄与する整備、利活用が必要であると考えております。
当面は、民間事業者が予定している下田ドック跡地の開発や静岡県が予定している係留施設の整備に協力しつつ、将来的には外防波堤の完成後の福浦の東防波堤及び犬走防波堤の利活用を踏まえた新たな下田港港湾整備基本構想の策定について検討してまいります。

4)教育振興

 小学校教育に関しては、新学習指導要領の導入に伴い、必須化となる外国語科・プログラミング学習に対応するため、外国語指導助手を活用した授業時間を増加するとともに、令和元年度先行的に導入したプログラミング教材を活用するなど、社会の急激な変化やグローバル化、高度情報化社会の到来等社会の変化を見据え、子どもたちに確かな生きる力を育んでまいります。
中学校教育においては、統合を控え、再編に向けた4中学校の交流事業に取り組むとともに、令和元年度に引き続き、夏季期間に普通教室に冷房設備を借り上げることで、生徒の健康を守り、安心して学習に取り組める環境整備を進めてまいります。
また、小学校のトイレ改修工事や中学校統合に向けた下田中学校の整備等、学校運営に配慮した大規模改修工事を実施してまいります。

5)国際交流

 国際交流としまして、姉妹都市ニューポート市との交流やオリンピック・パラリンピックホストタウン事業を通じて、さらなる日米の友好関係の発展に努めてまいります。また、幕末の史実による国際事業として、引き続きロシア連邦との友好交流事業を推進することとし、ロシア人墓地での慰霊祭や講演会等を開催するとともに、児童・生徒による在日ロシア大使館付属学校との交流を進めてまいります。さらに、国際友好コンサートも継続実施いたします。

6)図書館の移転

 図書館の移転に関しては、基本構想策定に向けた準備を進めてまいります。

7)事務・事業の効率化

 平成28年度から令和2年度までを計画期間とする第6次行財政改革大綱が最終年度を迎えるに当たり、次期5か年においてより効率的な市政が実現できるように第7次行財政改革大綱の策定を行います。
公民館の統合や中学校の再編整備により用途廃止となることが予定されている施設や用途廃止後も活用方針が決まっていない施設について、公有財産有効活用検討委員会において、今後の対応について検討を進めてまいります。
公民館につきましては、令和2年度は、方針が決定しております中公民館と白浜公民館について、解体や修繕等を進めるとともに、残る本郷公民館、稲生沢公民館、朝日公民館についても、令和2年度末での公民館廃止に向けて、検討を行ってまいります。

 以上、令和2年度の所信の一端を申し上げましたが、市政を司るに当たり、冒頭にも申し上げた「虚心坦懐」「公論傾聴」「先見洞察」「熟慮断行」を座右の銘とし、「市民の心をわが心として」の初心を忘れることなく、市役所職員、一致団結して、能動的に事業を執行し、もって市民の負託に応えていく所存でありますので、市民の皆様並びに議員各位の市政に対する温かい御理解、御協力と御鞭撻を賜るよう、衷心からお願いするものでございます。

 以上、令和2年度の施政方針とさせていただきます。 

下田市長 福井 祐輔

令和2年度施政方針(pdf 439kb)←PDF版はこちらからご覧ください。
 更新日:2020/03/06
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